マカバイ記

ヘブライ聖書
または
旧約聖書
詳細は聖書正典を参照
ユダヤ教プロテスタント
カトリック教会東方教会
ユダヤ教とプロテスタントが除外
東方正教会が含む
ロシア正教会エチオピア正教会が含む
エチオピア正教会が含む
ペシッタ訳聖書が含む
  • 詩篇第152-155篇(英語版)
  • バルク 2(英語版)
古代教会スラブ語聖書が含む
  • バルク 3(英語版)

マカバイ記』は、ヘレニズム時代のユダヤ歴史を描く歴史書の1つ。『マカバイ記』は教派によって扱いに違いがあり、ユダヤ教プロテスタントでは外典として扱い、カトリック教会では1と2を正典第二正典)に収め、正教会では1と2に加えて3までも正典に収めている。

概要

マカバイ記1ではアレクサンドロス3世の東征に始まり、ハスモン朝の支配が確立されるまでの歴史をマカバイ戦争を中心に描いている。そしてそのなかで異邦人に汚されたエルサレム神殿がふたたび清められたことがハヌカ祭のおこりであると述べている。

マカバイ記2ではエジプトのユダヤ人へハヌカ祭を祝うよう薦める書簡から始まり、ユダヤに対する迫害とそれに対抗する宗教的情熱、ユダ・マカバイの活躍が描かれている。

マカバイ記3は、内容的にはマカバイ戦争とはなんの関連もない。プトレマイオス朝エジプトを舞台に、エルサレム神殿に入ることができなかったことに憤慨した王が、アレクサンドリアのユダヤ人を集めて虐殺しようとするが、神の力によってユダヤ人が助けられるという内容である。

マカバイ記4は歴史書というより思想書であり、理性感情の問題が哲学的に扱われる。その議論の中で、マカバイ記2に登場する殉教者たちが引き合いに出されている。なお、一時このマカバイ記4の著者が『ユダヤ戦記』や『ユダヤ古代誌』などを書いたフラウィウス・ヨセフスだという説が流れていたため、16世紀に印刷されたラテン語のヨセフス全集にこれが『殉教物語』の名義で入っていたことがある[1]

マカバイ記1・2の詳細な内容

マカバイ記1
  • ヘレニズムと小アジア(1:1-1:9)
  • マカバイ戦争の勃発(1:10-2:70)
  • ユダ・マカバイの指導(3:1-9:22)
  • その弟ヨナタンの指導(9:23-12:54)
  • 大祭司シモン(13:1-16:24)
マカバイ記2
  • エジプトのユダヤ人への書簡(1:1-2:18)
  • 序文(2:19-2:32)
  • ヘリオドロスの神殿冒涜のたくらみ(3:1-3:40)
  • 迫害(4:1-7:42)
  • ユダの勝利と神殿の清め(8:1-10:8)
  • 新たなる迫害(10:9-15:36)
  • 結び(15:37-15:39)

脚注

  1. ^ フラウィウス・ヨセフス『ユダヤ古代誌6 新約時代編 [XVIII][XIX][XX]』秦剛平 訳、ちくま学芸文庫、2000年、ISBN 4-480-08536-X、P357。

関連項目

歴史書・知恵文学・預言書(旧約聖書モーセ五書以外)
歴史書
基本
カトリック版・正教会版に収録
知恵文学
基本
カトリック版に収録
正教会版に収録
  • オデス書
  • ソロモンの詩篇
大預言書
基本
カトリック版・正教会版に収録
小預言書
関連項目
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