大カトー・老年について

キケロの著作
弁論(演説)
ウェッレース弾劾
カティリナ弾劾
アントニウス弾劾
(ピリッピカ)
マニリウス法について
(ポンペイウスの指揮権について)
弁論術書
構想論 (発想論)
弁論家について
ブルートゥス
弁論家の最高種について
弁論家
哲学書
国家について
法律について
ストア派のパラドックス
ホルテンシウス
大カトー・老年について
ラエリウス・友情について
義務について
運命について
善と悪の究極について
神々の本性について
トゥスクルム荘対談集
書簡集
アッティクス宛書簡集
縁者・友人宛書簡集
弟クイントゥス宛書簡集
ブルートゥス宛書簡集

大カトー・老年について』(だいカトー ろうねんについて/古典ラテン語Cato Maior de Senectute)は、古代ローマの弁論家・哲学者・政治家であるマルクス・トゥッリウス・キケロ紀元前44年の著作。人生における老いについて論じた古典作品である。

題名

本書は大カトーが老年について語る対談形式となっており、正題は『大カトー』(Cato Maior)で副題が「老年について」(De Senectute)と思われる。その内容からしばしば『老年について』(ラテン語“De Senectute”、英題“On Old Age”と呼ばれ、日本では伝統的に『老年論』として知られてきた。

概要

紀元前44年、キケロ61歳の頃の著書である。カエサルポンペイウスのローマ内戦ではすでにカエサルが勝利しており、ポンペイウスに味方していたキケロは政界から追い出され、カエサルからの刺客に脅える日々を送っていた。また、二度の離婚や娘の病死など、私生活でも苦境にあった。

この苦境の中で、キケロはギリシア哲学の執筆に従事した。その中の一作が本書である。本書はキケロ独自の思想を述べたものではなく、ギリシア哲学ストア派の道徳的処世論などの多くの著作を参考にしながら折衷した内容になっている。キケロの友人であるティトゥス・ポンポニウス・アッティクスに捧げられている。

登場人物

本書は大カトーが将来有望な2人の若者を自邸に招いて、老年論を語る対談の形をとっている。

校訂本

  • CICERO:CATO MAIOR DE SENECTUTE, with introduction and commentary, by J.G.F.Powell, Cambridge Classical Texts and Commentaries 28, Cambridge university Press(ケンブリッジ大学出版局), 2004年6月, ISBN 978-0-521-60704-9

日本語訳

  • 現行版のもの
    • 『老年の豊かさについて』八木誠一・八木綾子訳、法蔵館、1999年、ISBN 978-4-8318-7248-7
    • 『大カトー・老年について』中務哲郎訳:『キケロー選集 9 哲学Ⅱ』(岩波書店、1999年12月)に所収、ISBN 978-4-00-092259-3
    • 『老年について』中務哲郎訳、岩波文庫、2004年、ISBN 978-4-00-336112-2(上記『選集 9』を文庫化)
      • 『老年について』ワイド版岩波文庫、2005年、ISBN 4-00-007251-X
    • 『老年について 友情について』大西英文訳、講談社学術文庫、2019年、ISBN 4-06-514507-4
  • 絶版のもの
    • 『大カトー 一名老年論』斉藤為三郎訳、生活社、1943年(長沢信寿共訳『ラエリウス・大カトー』所収)NDLJP:1038842
    • 『老年に就いて』岩崎良三訳、摩耶書房、1948年
    • 『老境について』吉田正通訳、岩波文庫、1950年
      • 『老境について』吉田正通訳、ワイド版岩波文庫、1994年
    • 『大カトー 一名老年について』呉茂一・重田綾子訳、河出書房新社、1959年

参考文献

関連項目

ラテン語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
Cato Maior de Senectute
  • ラエリウス・友情について(英語版)
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • VIAF
    • 2
国立図書館
  • スペイン
  • フランス
  • BnF data
  • ドイツ
  • イスラエル
  • アメリカ
  • オーストラリア
  • ギリシャ
  • ポーランド
  • バチカン
その他
  • IdRef
    • 2