ツツバ語

ツツバ語
話される国 バヌアツ共和国
地域 ツツバ島(英語版)
話者数 150~500人
言語系統
オーストロネシア語族
言語コード
ISO 639-3 tmi
消滅危険度評価
Definitely endangered (Moseley 2010)
 
注意: この表にはユニコードで記述されたIPA発音記号が含まれているかもしれません。
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ツツバ語(ツツバご、Tutuba)はバヌアツ共和国ツツバ島(英語版)の住人が日常語として用いている言語である。語族はオーストロネシア語族で、記述のための文字は持たない。

音韻論的特徴

母音

/i//u//e//o//a/ の5つの母音が存在する。

子音

ツツバ語には以下の表に示す15の子音が存在する。このうち、舌先と上唇で調音される舌唇音は、世界の10あまりの言語でのみ存在が確認されている希少音である。

  • 閉鎖音
    /b//b̼//t//d//k/
  • 摩擦音
    /v//v̼//s//h/
  • ふるえ音
    /r/
  • 側面接近音
    /l/
  • 鼻音
    /m//m̼//n//ŋ/

形態論的特徴

接辞

ツツバ語の接辞には、接頭辞接尾辞がある。

  • 接頭辞は、動詞名詞形容詞に付加される。名詞には最大2つまで付加でき、動詞と形容詞には1つしか付加できない。
    例:ra- 名詞に付き、複数を示す。
    使用例:ra-tamoloi「人々」
  • 接尾辞は、動詞、名詞、形容詞、前置詞に付加される。動詞には最大2つまで付加でき、それ以外の品詞には1つしか付加できない。
    例:-i 自動詞に付加して、他動詞を派生させる。
    使用例:alo「照る」→ alo-i「照らす」、ser「吹く」→ ser-i「吹き飛ばす」

重複

ツツバ語における重複には、(1)語基そのものが重複形で、省略形を持たないものと、(2)重複によって、派生元からの意味や機能の変化が観察されるものが存在する。

(1)語基が重複形
例:roturotu「遊ぶ」、biabia「眩しい」
(2)重複による派生
例:lamo「蝿」→ lamo-lamo「無数の蝿」、bibi「包む」→ bi-bibi「包み」

統語論的特徴

基本語順はSVO型である。修飾構造は、名詞-形容詞、所有物-所有者、名詞-関係節といったように、「主要部-従属部」という形をとる。

脚注

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参考文献

  • 内藤真帆『ツツバ語 記述言語学的研究』京都大学学術出版会〈プリミエ・コレクション〉、2011年8月30日。ISBN 9784876985708

外部リンク

  • Ethnologue report for Tutuba (英語) - エスノローグ
  • Glottolog 2.7 - Tutuba (英語)
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