シッソイド

シッソイド: cissoid)は、直交座標方程式

x 3 + ( x a ) y 2 = 0   ( a > 0 ) {\displaystyle x^{3}+(x-a)y^{2}=0\ (a>0)}

によって表される曲線である。音訳から疾走線しっそうせんとも呼ばれる。

赤の曲線がシッソイド
ディオクレスのシッソイド

性質

x軸に対して線対称である。原点は尖点である。x = a漸近線に持つ。パラメータ表示では

x = a t 2 1 + t 2 , y = a t 3 1 + t 2 {\displaystyle x={\frac {at^{2}}{1+t^{2}}},y={\frac {at^{3}}{1+t^{2}}}}

と表される。極座標の方程式では

r = a sin 2 θ cos θ {\displaystyle r={\frac {a\sin ^{2}\theta }{\cos \theta }}}

と表される。

一般化

シッソイドは、次のようにも定義される。線分 OA を直径とする円 C および、点 A における円 C の接線 L を考える。点 O を通る直線と C, L との交点をそれぞれ K, N とし、OQ = KN を満たす点 Q を半直線 OK 上にとる。直線を動かしたときの点 Q の軌跡がシッソイドである。座標平面において、O を原点に、A を (0, a) にとると、冒頭の方程式を得る。

一般に、ふたつの曲線 C, C′ と定点 O に対してシッソイドが定義される。O を通る直線と C, C′ との交点をそれぞれ K, N とし、OQ = KN を満たす点 Q を半直線 OK 上にとるときの Q の軌跡を、曲線 C, C′ と点 O に関するシッソイドと呼ぶ。特に、C を円とし、O を C 上にとり、C′ を O の反対側における C の接線とした場合が冒頭に定義されたものであり、ディオクレスのシッソイド (Cissoid of Diocles) とも呼ばれる。ディオクレスは古代ギリシア幾何学者である。

参考文献

ウィキメディア・コモンズには、シッソイドに関連するカテゴリがあります。
  • 聖文社編集部『曲線・グラフ総覧』1971年 ISBN 978-4792200701
  • 『曲線の事典―性質・歴史・作図法―』 礒田正美、Maria G. Bartolini Bussi編、田端毅、讃岐勝、礒田正美著
共立出版、2009年 ISBN 9784320019072
  • Greek Mathematical Works, Volume I: Thales to Euclid. Translated by Ivor Thomas. Loeb Classical Library 335.

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Cissoid of Diocles". mathworld.wolfram.com (英語).
  • Weisstein, Eric W. "Cissoid". mathworld.wolfram.com (英語).